Watt Managerという便利グッズを作ってみました。 | 中川 伸 |
---|
このアンプで足りてるのかなぁ?それを調べるWatt Managerというグッズをつくりました。例えば8Ωで10W+10Wのアンプは8.94V (rms)ですが、この1.4倍の±12.65Vがピーク電圧で、これより大きいとクリップを始めます。このWatt Managerは10ワットのポジションで左右どちらかが±12.65Vを超えればLEDが点灯します。10Wのアンプの定格出力には、いくらかの余裕があるのと、実際の動作はミュージックパワーなので経験的には約15W+15W付近の実力が通常です。そのため10Wのアンプで10Wのポジションで点灯しても頻度が少なければ、問題は無いと言えるでしょうし、クリップ波形によっては目立たないこともあります。
Watt Managerのロータリースイッチをアンプの定格出力にして点灯しなければ十分に足りていると安心できます。ピークレベルメーターを買うほどのことでもありませんし、それらが接続されることによって電源経由の悪影響を受けることさえ有りえます。そこで電池式のポータブルとして、いろんな場面で簡単に使える便利グッズとしました。直接に音を良くするものではないので、できるだけ安価にということで、ケース無しの基板単体で仕上げました。見た目にこだわるなら、きれいなケースに工夫をしても良いでしょう。
ワット表示は8 Ωスピーカーでの値なので、4Ωだと倍、16Ωだと半分になります。作った経緯は出力のことを正しく理解してもらいたいとも思ったからです。倍の出力は+3デシベルですが、この差は一般の人からすれば、え!、たったこれだけ!と思う程です。倍と感じるには4倍から10倍位が必要です。このWatt Managerを使えばそれが実体験できるよう、レンジは2W,5W,10W,20W,50W,100Wです。
イメージ的には出力が大きいと良い音が出ると思いがちですが、出力が大きくても音質が十分で無い設計は大いにあり得ますし、またその逆に出力が低くても、うんと高音質な設計も可能です。つまり出力が大きいということは単に大きな音が出せるだけです。出力が大きいければ音に余裕が出ると思うかもしれませんが、あくまでもイメージと副次的な効果です。
Watt Managerが動作している様子をYouTubeにアップしましたので、どんな感じかをご覧になってください。スピーカーの能率と音量によって、この場合は2ワットでほぼ良い感じでした。2Wを超えた瞬間にランプが光り、その頻度が多いと明るく見えます。ちなみにyoutubeで中川伸と検索すれば、いくつかの動画が出てきます。少しづつ増やしてゆきますので、興味を持たれましたならチャンネル登録をお願い致します。
必要な出力が、不足過ぎる場合と、余り過ぎる場合が極端に有ることも分かります。自作の真空管アンプを、人が集まる場所でデモをすると、高能率のスピーカーであっても不足することがほとんどで、頻繁にクリップしがちです。あと少し下げれば良い音になるのになーと思うのですが、どうしても「俺のアンプの音を聴けー」みたいな感じでボリュームを上げたくなるようです。その結果の歪み音がよくあります。大出力アンプは余裕が有ってそのために音が良いと信じて重いアンプを並べていても、実際には1ワット以下ということも実は非常に多いのです。
これは自分で欲しくて作ったグッズなので、ご覧の通り、商品の形態にはなっていません。そこで、この基板は50枚だけの先ずはテスト販売です。付属品はミノムシクリップとケーブルとコネクタとチェック用電池で、税送料込みで当面は\6,800の直販のみです。クリップとの接続は頭を柔らかくして写真のように一方の歯に巻き付けても構いません。基板の下にはゴム足4個があります。もしも需要が増えて、継続することになれば、商品として、外観や価格も含めた変更が加わるかもしれませんし、これで終わってしまうのかもしれません。では、よろしくお願いいたします。なお、出力形式がBTLの場合は、両チャンネルを接続しても壊れませんが、片チャンネルずつ接続しないと正しい表示にはなりません。
なお、バッテリーの寿命ですが、消費電流の少ないデバイスやLEDを使っていて間欠的な点灯なので4mA程度の消費電流です。聴いている時は継続していても、電池は休ませながら使うことになるので、マンガンで100時間、アルカリで200時間、ニッケル水素で150時間くらいと予想しています。
204-0022 東京都清瀬市松山2-15-14
TEL&FAX 042-493-7082 mail: info@fidelix.jp
有限会社フィデリックス 三井住友銀行清瀬支店普通口座3064084